何かあったのか。
自分が戦場で折れたら、忘れて欲しいそうだ。
共寝の後の睦言にしては物騒な話で、色々な思いが募って不快感が顔に出てしまった。
あれが寝て、俺も少し頭が冷えた今思い返すと、あの言葉はどこから来たのだろうと思う。
雰囲気に流されただけならいい。恋仲だからこそ楽しめる切なさだろう。
だが、本心なら。忘れて欲しいのだろうか。手放されたいのだろうか。
いつまでも好いていてはいけないと、忘れろと語る声に、もう一つの声が重なってはいなかったか。あれはあの男の魂が発した音ではなかったか。
明日にでも、聞いてみるか。気になることはきちんと話し合う。言葉にしたことはないが、俺達に根付いている心だ。
光.忠。俺はアンタを幸せにすると誓った。この意志は俺という存在の全てに優先する。アンタの幸せを実現するための願いは、全て叶える。どんなことでも。