最近本丸の前にいる子猫を可愛がっている。…飼ってやることは出来ないが…まだ幼い小さな黒い身体を撫でてやれば拙い鳴き声で俺を呼び、擦り寄っては膝に上ってくる。
そんな様子が愛らしくて猫好きな彼奴に嬉々として報告をする。
そうすれば俺の膝の上なんてズルいと、俺が子猫に取られてしまうと…そんな愛らしい言葉が返ってきた。懐かれ過ぎて膝から降りてくれない、降ろしても付き纏い足をよじ登ってくる子猫の様子にヤキモチを妬く彼奴が可愛すぎて思わず胸を抑えた。
猫にヤキモチを焼くことなんて無いのに。俺の中で彼奴に勝る愛しい物など無いのだから。
でも、可愛らしいその嫉妬が嬉しかった、なんて言ったら…彼奴はなんて言うだろうか。