自分の気持ちがただしいという自信がないからなのか、そうした気持ちは等価がいいと思っているからなのか、そういう要因は幾つも思い浮かぶけれど置いておいて──『同じ』だと、『一緒』だと言われると、妙に安堵する。同じものなんて何一つないし、自分は変な奴だという自覚があるから、決して僕の中のそれがただしく同じであるかどうか、なんて分かりようもないのだけれど。寄せた額から、繋いだ掌から、触れ合った肌から、好きだって気持ちが溶けて混ざって、同じものになって、二つに分かれてこの中に戻ってきたらいいのに、なんて。莫迦げた想像だ。
わかってる。違うから、彼だから、いとしいのだと。だけど、その言葉にどんなものが含まれていて、どんな風にしたら満たされて、どんな風にしたら安心するのか。僕はその端をほんの少し、見せてもらっただけだから。──だから、妙な焦燥感に、駆られているのだろうか。知りたくて、それも欲しくて。欲しがってやまない。苦しい。欲しい。そうとしか言えなくて、ただ、目の前の身体を抱き締めた。全部まとめて、綺麗な言葉で飾っておこう。言えることは多分、これくらい。好きだよ、大倶利伽羅。
◆
おはよう、
──おはよう、光忠。◆
甘えた。で、困ったものだ。
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