日記一覧
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494.犬に関する覚書。
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10 :
へ_し_切_長_谷_部
09/12(土) 21:05
午睡は好きじゃない。作業効率がよくなる、という話を聞いた事があるが、怠慢の気がする。だが、本当に働きがよくなるのであれば、積極的に午睡を取るべきなんだろう。…分かってはいても、実行は難しい。
非番の昼下がり、足先からずるずると闇へ引きずり込もうとする眠気に抗えず、いつの間にか意識も闇に呑まれた。入眠も唐突なら、覚醒も唐突だ。目蓋を上げて起き上がり、既に光を無くして薄闇に浸された室内を見回す。まるで俺一振りだけ皆に置き去りにされたような、誤って異世界に生み落とされてしまったような、強烈な違和感が全身を包む。遠くの喧騒がそれこそ異世界のもののように感じるのは、午睡の後に必ず体験するものだ。迷子、という言葉が頭に浮かぶ。俺には不釣り合い極まりない。
あれの姿を探して部屋を出て、見付けた背中に声を掛ける。自分の声すら妙に遠くて、まだ眠気に抱かれているような錯覚に視界が霞む。振り返った白い顔はいつものように笑い、おはようと応えた。ああ、世界は変わっていない。不可思議な安心感が胸中を満たすのが、滑稽で仕方なかった。
これだから午睡は好きじゃない。
まだ指先に残る違和感が、俺を闇に招いているようだ。いつか主の、あれの、存在しない世界に、紛れ込んでしまうんじゃないだろうか。有り得ない、何故、そう言い切れるんだろうか。
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忘れていた。
あれはひ、ひえ、ぴた?というのか。それから、水。有難う。おやすみ。
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