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494.犬に関する覚書。
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へ_し_切_長_谷_部
09/17(木) 22:42
噛み付く、という行為に、一体どんな意味が籠められているのか。好んで自身がする行為だと言うのに、その意味は明白ではない。噛み付く。柔肌に人の身にある硬質な凶器を突き立て、ともすれば刀の頃を思い出すような鉄の味がする液体を奪い取る。その液体にはあれの生命が、神気が、詰まっているというのに。
じゃれる獣、というのが一番近いのかもしれん。獣というのは、玩具を与えると噛んで遊ぶものらしい。感触を楽しんでいるのか何なのかは知らんが、俺のその衝動はそれに近いのかもしれん。しかし、俺はあれを玩具と見なした事はない。噛み付いた際のあれの反応を好んではいるが、玩具などと失礼な見方をした事はない。あれは美しい刀だ。とても美しく、力強く、優しい、その名に恥じぬ素晴らしい刀だ。……もしかしたら、あれの美しさを傷付けて、汚してしまいたいという欲求が、俺の中にあるのかもしれんな。
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