日記一覧
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496.餡蜜
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5 :
小/狐/丸
09/05(土) 13:27
[ 長月五日 ]
こういったものを設けるのは初めて故にどのようなことを綴って良いのかわからぬ。が、あれについての感情吐露用に一冊借り受けよう。
任務そっちのけ、勢いで作り始めたはいいものの……その間に任に赴いてしまったあれにその事実を知られたら叱られるだろうか。
その時間があるのなら俺に構え、と。……想像して思わず胸がときめいた。あれには笑っていて欲しいが、拗ねたり怒ったり泣いたり…そういう他の顔も全て等しく愛らしゅうて堪らぬ。まだ見たことの無い顔もあるが。
人の身というのは不可思議極まり無い。顕現して未だ十日程ではあるが……あれを見掛けては心の臓が鷲掴みにされ、脈動が煩い。
戦場で血潮が滾り気が高ぶるのとはまた異なるこの感覚は……苦しいようでいてなんとも言えぬ心地よさを感じる。ぬしさまには感謝せねばならぬ。
…そういえば、私はしょたこんだと思われていたらしい。心外な。
確かにあれを見る度にとある幼き月の絵姿が思い浮かび、その純粋な笑みに得も言われぬ思いを抱いていたのは事実ではあるが……
腹のわからぬ月が多いように見受けられる中、ほわほわと純粋な笑みを向けてくれるあれに心惹かれてしまうのは致し方なかろう。
それを形容する為にもその絵姿を見せたが……それで拗ねるとは思わなんだ。想定外の事態ながらも笑みが零れて止まらず、微笑ましかったのをふと思い出した。
――さて、昼餉も済ませた故、そろそろ出陣せねば。
ぬしさまの指示でちと遠征に行って参る。何か浮かべばまた追記に参ろう。
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