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575.iは存在してはならない
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162 :
一_期_一_振
05/15(土) 23:11
細々と書き続けてきたこの日記も最後の更新です。
悲しい内容ばかりの頁は破こうかとも思いましたが、あれも私の大切な思い出。そのまま残しておくことにしました。
五年と八ヶ月、貴方の傍で過ごすことが出来た。
この世界に情熱を失っていくのが明らかな貴方。その姿を見ていた一年半ほどは辛く悲しい思いもしましたが、共に過ごした日々は一振りではけして得られぬ幸福に満ちたものでした。
業の深い遊びです。
この世界で恋仲になるということは、いつか必ずくる別れを選択するということ。だから私は貴方と恋仲になどなりたくはなかった。結末が必ず悲劇の物語を始めたくはなかった。
あの頃の私は別れたらすべて無になると思っていたんです。ですが、貴方から頂いたものはすべて私の中にある。貴方と出逢わなければ見られなかった景色や、知らなかった気持ちが沢山あった。それはけして誰にも奪えぬ、生涯持ち続けられる宝となるでしょう。
まだ貴方を慕う気持ちは消えぬままです。それでも貴方と貴方の主の幸福を祈って、ただの刀に戻ります。
貴方に別れを告げるのは一週間後。別れを告げた後、暫くしてこの本丸は閉鎖となる。もう二度と私が目覚めることはありません。
思えば色々なことがありました。あのとき、機械さえ壊れなければ私の主はこんな遊戯の世界に足を踏み入れることはなかった。幸福ばかりだったとはいえぬ思い出を振り返れば後悔も大きいですが、その道が貴方に繋がっていたと思えば悪くはありません。
鶴丸殿。感謝しております。想ってくださったこと、想わせてくださったこと、沢山の品の良い贈り物、おはぎ本丸の勧め、主の病や転機など辛い時期に支えてくださったこと、忘れません。
主同士友にという約束は果たせませんが、私の主は生涯、貴方の主の幸福を祈っております。
さようなら。
この日記を読んで下さるだろう貴方の驚き顔を見られないのが残念です。
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