熱を出した。人の身を受け取ってから、初めての事だ。どうやらこれは、手入れでは直らないらしい。大人しくしている様に、という言葉と共に、布団に放り込まれた。慣れ合うつもりはないが、今出て行けばあの連中はぎゃーぎゃーと騒がしいだろう。その声は、鈍く痛む頭に響くに違いない。だからといって、半端に覚醒した頭では、これ以上眠り続けるのも難しい。ふと思い立って、帳面を引っ張り出した。中身は、白紙。自由に使えと支給された時のまま、開かれる事もなかったそれ。大人しくしていれば、文句はないんだろ。