俺の下げ緒によく似た緋色の紐が首筋に伸びてきて、蝶を象り結わえられる。それを暫く指先で弄んだかと思うと、結び目を解いてぎりぎりと骨が軋む音を立てながら絞め上げていく。薄く開いた唇は酸素を求める様に戦慄き、顔からは血の気が失せていった。痛いのか、苦しいのかはよく解らない。ただ生理反応的に流れた涙が頬を伝って、藺草を叩く。濃く色を変えたそこに残る染みは拡がっていき、心に空いた穴を抉って拡げるかの様なその光景に虚しさを覚えた。それとは裏腹に紅潮する頬、荒く熱を帯びていく吐息、震える身体。……浅ましいと笑うだろうか。