涙を溢せども溢せども、雫が帳面の紙を叩くだけ。もう筆を取る手が以前の様に淀みなく進むことはないんですよ。ええ、随分前から解りきっていた事です。 縋って、足を取られて、雁字搦めになって。自分を自分で縛っているんでしょう?悪いのは、謝り続けながらも僕を籠に閉じ込めようとする貴方?それとも、其処から逃げ出そうと翼を見苦しく羽ばたかせる僕ですか?どうか答えを下さい。飛び立つ手伝いをしろとまでは言いません、ただ願わくばその籠の扉を開け放って欲しい。 嗚呼、あの時捥がれた翼が痛む。