人間とはかくも弱い生き物なのかと、随分人の器にも慣れてしまった掌を見詰めて言葉を溢した。人間は痛覚という危険信号が無ければ、自分の限界を知ることすら危うい。それに刀とは違って、生まれた瞬間から常に緩く終わりに向かっていく上に、必ず終着点がある。これ程までに脆い存在でありながら、終着点までに多くの人と心を通わせようとしては傷付き、痛みを覚える。何処に在るのかわからない、心とやらも痛むそうだ。それに寂しい、悲しい、なんて雑多な感情もあるらしく、独りでは生きられないらしい。何と不器用で儚い生き物なのか。