日記一覧
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70.滅紫の黎明
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へ/し/切/長/谷/部
05/14(木) 01:25
手折った花を彼奴に手向けた。茎をぽきりと折ってしまえば、風の前に揺らめいていた命の灯火がそっと辺りを照らすのを止め、再び足元は闇に包まれた。あんなに我先にと太陽に向かって伸びていた青々とした茎や葉も、世界の色を映す様に咲いていた花も、命を摘まれれば、醜く枯れる末路を選ぶ他ないんだろう。色付いていた筈の花弁からは鮮やかさが失せ、生まれ故郷の土にその身を横たえ、息絶えている。その花の色は、もう思い出せない。 左様ならば、忘れてしまおう。
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