辺りを幾らばかりか照らす星の領分を根刮ぎ奪う様に橙に染め上げ、夜空を切り裂けばまるで真昼かと錯覚する程に明るい空が眼前に広がった。 かつて清いそれを与え、後に人々を救うことになる主を作ったのは遠い昔の話。語り継がれ、受け継がれ、今宵の鬼灯色の空は命の灯火、始まりの色。 雅、とはこういう事を言うのだろうか?