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89.モトカレはせべ
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101 :へ_し_切_長_谷_部
02/08(月) 18:31

101回目のナントカカントカッ!!

また!あげてる!
あげちゃ駄目って何度も以下略!僕は折れましぇん!


>TTT

昔々の話、俺は相手に従順でいることが美徳であると信じてやまなかった。元主が好いたのはそんなモノではなかったというのに、今考えても不思議でならない。
俺が主命に従いたいと思うのは、その名残なのかもな。

「長谷部はどこに行きたい?」

そう俺に問いかける声は優しく気遣いに満ちていた。旅行の話だった。

どこでもいい。

俺はそう答えた。なぜなら、それが最良の答えだと思っていたからだ。相手の意思を尊重し、相手の言うことに逆らわず、相手の思うままの都合の良い存在でいること。
それこそが、究極の存在ではないか。
思えば俺は今も昔も、間違えてばかりいる。

結局声の主は俺に対して冷たく怒りをぶつけた。

なぜ考えてくれないんだ。行きたくないのなら、別に行かなくたっていいんだぞ。

俺はきょとんとして幾度か瞬いた。相手に何を言われたのか理解できなかった。だが、相手が酷く俺に落胆し、怒りを覚えているのだということだけはよく伝わった。

やがて、俺が自らの意思を示したり、何かを考えたりすることが酷く苦手だっただけなのだ、ということに気づくのは、もっと先の話だ。
当座、俺はうんうんと頭を捻り、謝罪をして、五_条を歩きたい、と伝えた。相手の溜飲はそれで下りたらしい。

従っていたい、というのは意思に入らないらしい。
いつだったか、光_忠にものをやりたいと思った。行きたいところもたくさんあった。
意思は何から生まれてくるものだろう、と思う。

やはり欲望だろうか。

光_忠も、俺にあれがしたいこれがしたいと、何かと言ってくる。

封を開けていない手紙を拾い上げて、なぜ読まない?返さないのか?と問いかけた。

#「手紙を持ってみると、中身までわかってしまうようなんだよ」

光_忠は不思議なことを言った。俺には、簡易な和紙が折りたたまれただけの手紙を見てみても、どんな人物がどんな想いでそれを綴ったのか、さっぱりわかりはしない。
そういえば、俺が初めて光_忠に渡した手紙も、こんな粗雑さだった。
お前はアレは読んだじゃないか、何の気なしに言ってしまった。

#「うん、……あんなの君くらいなものだ」

こういう時の光_忠は、俺のことを見ていない。無理に振り向かせようとも思わない。部屋に日差しは入って来ず、暗かった。灯りを入れなければならない。
何も言わずに席を立った。

今、奴の名を呼んでも、答えて貰えないのが、柄にも無く怖かった。

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