日記一覧
89.モトカレはせべ
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2 :燭_台_切_光_忠+へ_し_切_長_谷_部
05/23(土) 00:15

遠征から戻ると、主が血相を変えて飛んできた。

『長谷部が、長谷部が……!』

いつになく狼狽えるその姿を見て、君の命が潰えようとしているのだとすぐに分かった。
かつて愛した僕の“元恋人”は、利口そうな顔立ちとは裏腹に、いつも何処か考えなしで、真っ先に敵陣に突っ込んでいくような男だった。きっと、今回もそれが原因で……、ッ、……もう少し自分を大事にしてくれ、と僕は何度も言った筈なのに。

これが最後になるのかもしれない。
そう思うと、君との思い出が一つずつ脳裏に過って、……僕はどうしてあの時君の手を離してしまったんだろう、とか。もっと沢山好きだと告げれば良かった、とか。
未練がましいから何も言わず、君の幸せだけを願おう。……なんて、今までイイコの振りをしていた自分が、やけに格好悪く思えてくる。

主の後を追い、見慣れた部屋の前まで辿り着くと、薄い障子紙を一枚挟んで、懐かしい君の声が聞こえた。
僕が愛した頃のまま変わらない、君の声。
この戸を開けたら、こう言おう。
僕の声を聞いて貰える内に、最後に伝えなければ。
あれからずっと、……今でも僕は、君が好きだ、と。

「……長谷部、くん」

意を決して障子を開けると、そこには――


団子を喉に詰まらせて、苦しむ長谷部くん(モトカレ)の姿が!

ちょっと!!!長谷部くん!!!!
苦しそうだけど、普通に元気だね?!?
僕の涙と決意を返して!??!?!?!!?!?



そんなこんなで、結局、今日も。
君に「好きだ」とは言えないまま。



# って感じの日記帳なんだって。ねっ、長谷部くん。
> 茶をくれ、光_忠。
# …はいはい。もう、団子はゆっくり食べなきゃ。
> 掃除機で吸えば大丈夫だと、鶴_丸が――

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