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木漏れ日の下で
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16 :
雑/渡/昆/奈/門(落/乱)
2025/05/10(土) 12:25
皐月九日。
さて、来たる皐月九日。あの子との約束の日の話を書こうか。と、先に、懺悔をひとつ。あろう事か睡魔に負けて気付けば朝だった。本当に悪い事をしたと……ああ、反省している。疲れていたのはそうなんだが、どうにもあの子と居ると気が緩むらしく、すかっと寝てしまっていたんだ。うん、怒ってるなら殴ってくれても構わん。と言うよりは殴ってくれた方が幾らか気が楽になる気がする……以上が懺悔である。うん、本当に。割と。と言うより相当、やってると思う。ごめん。
気を取り直して書いていこう。
いや、上記の事が無ければ本当に良い時間、好い日であったんだ。私に用が無ければ口吸いをしてやりたかったと言うのに……とまあ、戯言なんか残しちゃったりして。知っての通り私って案外お茶目な訳。だから可愛いものは好きな方なんだよね。例えば一年生の良い子達は例外無く皆可愛い。部下も勿論可愛い。特に尊/奈/門はまだまだ未熟だが、意地っ張りだし融通が効かないしで可愛らしいよね。それを抜いてもあの子は特段可愛く見えるんだ。恋は盲目と言うが、もしかすれば私の目はおかしくなってしまったのやもしれん。……と、残りは後で追加していくとする。呼ばれてしまったよ。
手が空いたから続きを。
そう、私はね、腫れた惚れたはもう良いと思っていたんだよ。下らん事だと、なんなら最初、あの子が私をそう見ている事を知った時、黙って立ち去っても良いのでは無いかとも思った。あの子はまだ若い、見ている世界もうんと狭い。ただぽっと出の曲者相手に恋情を抱くのはただの瞞しでしか無いだろうから、その瞞しが消えてしまえば目も覚めるのだろうかとね。だが、私があの子の元に戻る理由を作ってくれた事や、あの子がひたむきに向けてくれるあの眼差しに……ああ、私は絆されたとも。白状しよう、私はあの子に絆されて、あの子に答えてやりたくなったんだ。
だから昨日、約束の時、口吸いをしてやりたくなったという訳なんだけど。結局出来ずに寝た私を、私が殴ってやりたいよね……。
目覚めた。あの子と口吸いをしたのは夢かと思っていたが、どうやら現実だった様だ。……この歳になってこんなに心躍る日が来るとは思わなんだ。あの子の口唇はあんなにも甘く蕩けるんだねぇ。火照ったあの子の身体から伝わる体温も、あの子に染み付いた薬の香りも、吐息も、心の臓の鼓動でさえ……ああ全てが私のものになってしまえばいいのに。
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