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途中下車
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194 :
忍足謙也
2009/10/01 23:32
十月一日、晴れ。
月頭には席替えがある。
今月こそ彼奴の隣の席になれますように。って念じて籤を引くんが習慣化。
出来れば窓際。此の季節は風が気持ちエエから。
世間ではシルバーウィークん時。ウチの家族も旅行に出掛けとった。俺一人残っとったんやけどな。ほら、彼奴を家に呼びたかったから。其の為に少し前から料理本を眺めとった。別に写真見て空腹紛らわそうとか言う魂胆で見てた訳やないで。ちゅうかアレ見てたら逆に腹減るっちゅう話や。其れは置いといて、オカンがしてるんを見てるんと実際自分で遣るんとは勝手がちゃうかったっちゅう訳で。初めて其れを作った時は慣れへん上に手際の悪い俺や、見た目最悪なモンが完成した。横で見とったオカンも流石に苦笑いしか浮かばんかったらしい。フォローっちゅう名のツッコミ入れられながら教えて貰たんやけどな。上手く出来る迄、ウチの食卓にはハンバーグが並べられる羽目になっとった。弟にはまたか、っちゅう視線投げられながら無言の圧力受けてたってのは又別の話。
練習の成果あってか、彼奴の前では上手い事出来たんやけど、其の手際良さから、練習したっちゅうんを見抜かれとったみたいやな。全く、彼奴には敵わんわ。せやけど、美味しかった、て言うて貰て暖かい気持ちになれた。新婚サン、みたいやな。何時か、彼奴と二人暮しする時の為に、彼奴の好物のチーズリゾット、美味しく作れるようになりたいな。
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