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途中下車
 ┗207

207 :忍足謙也
2009/11/16 02:46


自転車の後ろ、俺以外誰も乗せたらアカンで。其処も俺専用。

彼奴が扱ぐ速度に振り落とされへん様に、ちゅう理由で前にある彼奴の腰掴んで座る俺。ニケツなん初めてする事ちゃうけど好きな奴とデートっちゅう名目となると話は別やろ。街灯に照らし出される色素の薄いサラサラな髪が風に靡いて時折覗く首筋に触れたくなったけど運転の邪魔やて言われそうやったから止めといた。自分で扱がんで楽やからて選んだ荷台やったけどコレは正解やったな、と。勿論、帰りも特等席座って帰る事は決定事項や。
目的は、ピークよりかは時期的に少し早かったけど、二人で人気の無い公園行って流星を探し出す事。二人で際立った変化の無い星空見上げとる最中、途中から服越しやのに感じ取れる彼奴の鼓動か自分の心臓から伝わってくるモンかも判別付かん位ドキドキしっ放しやったん彼奴に気付かれてたやろうか。急にあんな事するから、探すん夢中になっとるフリして願い事て言わんと言えんかってん。もおちょい此の儘で居って、て。此れだけ言うんに何やかんや理由付けなアカンてまたヘタレ言われてまうなァ。直ぐ傍で感じられる体温は室内で其うするよりも暖かく感じて彼奴と触れてる背中の感覚だけがヤケに研ぎ澄まされたみたいに背中の全細胞で彼奴を感じとってたんや。ずっと其の心地良い体温感じてたかってん。気温も低いハズやのに頬ら辺が熱かったんは気の所為にしとく。けど、顔見られんで良かった。

俺よりも先に見つけた彼奴は星に何を願ったんやろか。
願い事を誰かに言うと叶わへんてよう聴くし、其う言うたけどホンマはな、――やっぱり内緒や。



流れ星が見たかった。其う零した俺の言葉を拾ってくれて次は一緒に見に行こう言うてくれた彼奴。多分、其の言葉だけでも願い事なんかどうでもエエように思てしまう位嬉しかった。
丁度、今の時期に見えるんが獅子座流星群、ちゅうヤツらしいなァ。此奴の名前は聞いた事ある。数年前も見れたらしいけど、其ン時も俺は空を見上げとったんやろか。何を願おう思てたんやろ、なんてガキん頃の事なんもう記憶に無いんやけども。今年の流星はずっと、覚えてる様な気ィする。根拠なん無いけど。



御前が言う様に、また二人で流れ星探しに行きたいなァ。次はもっと今回よりもようさん見付よか。なぁ、蔵ノ介。

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