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春眠
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157 :
丸井ブン太
2008/07/16 02:13
幼い頃、二人の弟と共に子供部屋に敷かれた二組の敷布団に横たわり母親に絵本を毎晩読み聞かせられて居た。毎晩違う御伽噺、其れでも俺の中では脳裏に張り付いた人魚姫の光景が消えず絶えず台詞の反芻を繰り返して居て、王子唯一人を憶い体躯や心を焦がし一時も忘却する事無く想い続けた。其れなのに、行き着く末は泡沫と化し海の一部へと成り代わり王子は違う女性と縁を結ぶ。渾身的な愛情に心揺さぶられても、其の結末は余りに残酷過ぎでは無いかと俺は幼心に感じた。
でも、中学生ながら僅かな人生経験を積むと見えて来る想いも存在して、曖するが故の渾身的な感情も真実の曖に通じる物が有ると思えた。例えば俺が、今誰かに恋に落ちて曖を知る事に成ったら渾身的な程迄に成るンだろうか。嗚呼、でも俺の場合恋や曖を身に沁みる程感じるのは、本当に突然何だろうけど。
某童話の話を彼奴とした時、狼の存在に付いて熱く議論をした。其の結果、俺は最後に退治されて仕舞う狼の存在が物悲しくて唯一人でも味方に成ろうとしたけれど、彼奴は其れ以上に納得する言葉で上手く総てがハッピーエンドに成れる結末を見出して呉れた。嗚呼、出来れば俺の行く末絡む運命を容易く解いて呉れたら良いのに、と。
#(小指と小指を繋ぐ糸、俺の小指から伸びる深紅の糸は誰と繋がってンだろう。ナンテ、)
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