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春眠
┗308
308 :
仁王雅治
2008/11/03 18:59
幼少の頃、一度眸に入れた其の日から如何しても欲しい玩具が有って。
流石に園児だと冷静さの欠片も持ち合わせて居ない所為かデパートで両親に泣き声を上げて縋った。如何しても欲しくて、見本用に置いて有る其れを掴んでは買って呉れと懇願して。
結局は、困り果てた様に溜息を吐いた父親が俺の体躯を抱き上げて其の儘帰宅。何時の間にか、幼心の中に芽生えた物欲も消え去って気付けば又違う玩具を求めて居た。
不意に其の熱情を手探りに辿り始めた。
今の俺ン中で、玩具に成り代わる泣いて縋る程の存在は一体何だろうと。結局、答えは既に掌中で、自覚するには容易い事だったが其れでも俺は――。
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