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春眠
┗338
338 :
財前光
2008/12/03 20:55
角砂糖二個分の甘い嘘、貴方は笑って其の程度の嘘を可愛い物だと笑うた。疑心暗鬼は更なる疑心を齎して、些細な一言を見出す事に脳裏にて幾度も反芻させて咀嚼する程に忙し無い。
口唇に歯先が当たり其処から鮮血が滲む、口腔内に広がる味に辟易しながらも後々に血豆に成った其処を舌先で舐めった。嗚呼、ホンマに未だに鮮明な痛みが。痛い痛い、学習能力の無い俺は幾度にも繰り返して行く。先輩方、此の無限ループから抜け出す手立てを教えて欲しいンですが。
然し、阿呆らしい。当たり前の様に持ち溢れて居た筈が、途端に手持ち無沙汰に陥る。寧ろ手持ちが皆無状態、困ったモンや。喩えば、無一文で身形も質素な俺が人々に手を差し伸べた時、一体誰が其の手を握って呉れるンやろう。
( 血豆を潰した先、痛みと共に現れたのは。 )
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「若し俺が―――、如何する?」
阿呆な質問をしたと思います。残酷な話、一体俺は相手に如何答えて欲しかったンやろ。身内の中で掛け替えの無い、嗚呼、ホンマに。
笑って居て欲しいとのアンタの科白に、自分の顔面に触れて見る。口角は釣り上がり、目尻は弛み、なァ先輩、笑えとるやろ?俺の代わりにアンタが笑う何て、先輩の笑顔は出逢った頃から太陽の様で。あンな顔、させて堪忍。
血豆の部分が青く成っとるや無いか、痛ェ。
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