top
┗
春眠
┗369
369 :
仁王雅治
2009/01/11 05:30
掌にふわり浮かぶ淡い形を、両手で包み込み抱き締めて。押し潰さぬ様に優しく柔和に。
幾日航海したとて、ただいまと帰れる場所が有る幸せを今噛み締めて。君は笑って御帰りと迎えて呉れるだろうか。
喩えば、尊敬の念と羨望の念を抱く人物が居るとする。其の人物を憧憬し過ぎて自分を卑屈に見る人間に輝きは見出せンらしい。逆に、其の人物に近付こうと憶う人間は輝いて見えると。幸福論を語る本を立ち読みしながら頷ける部分が有った。時折自分何て、と卑屈めいた考えを浮かべる俺は輝ける存在では無いと云う事で僅かでも改めて意識を改革すべきだと思った。
リラックス効果を得たくて、ルームスプレーを購入して部屋の中を気に入りの香りで満たす。紅茶のバラエティパックを購入し、様々な味を愉しみながら読み途中で放置して有った本へと手を出す。――其の落ち着いた雰囲気に身を委ねる事は荒れる心中を癒して呉れて、寧ろ無に近いのだと思った。
寝具に寝転がり雑誌に読み耽る中、腹部にもう一つ。「何を今更、」本当に其の通り、其れなのに幾度も確める俺は本に、
(彼奴の為にも、自分の為にも、)
[返信][
削除][
編集]
[
Home][
設定][
Admin]