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春眠
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397 :
仁王雅治
2009/02/24 09:07
右掌を繋ぎ合わせると左掌からは安易に指先が滑り落ち行く。
(心を蝕む氷の牙は、此の熱で溶かすよ。)
遮断したとて切れぬ絆、其れなら温める以外何の方法が有る?泣いて笑った末が見とう。
幾度解いても見えぬ幻。訪ねた所で又下らない事を考えてと叱責される筈、其れでも俺は問いたい。
――必要ですか、と。
十日に一度、鳴るか鳴らないかの電話音。深い眠りの中、遠くから聴きなれた音楽がけたたましく鳴る姿を唯聞いて居たが即座に反応、即座に通話。明らかに寝惚けた声音での応答に、笑みを滲ませながら答えて呉れる。「御帰り。」「ただいま。」、某恋愛映画の一コマを想像する。声音を聞く→逢いたく成る→触れたく成る、当時の俺は彼奴が総てだった。
現実の非現実の境目を見出す事が優先、此処に持ち込まぬ事。忘却すれば良い。
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