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春眠
┗406
406 :
丸井ブン太
2009/03/04 21:40
マグカップに注ぐ御湯、湯気立つ中から馨る甘い芳香に頬を弛める。両手に其れを握り締めた儘、寝具の縁から一人の人物の寝顔を覗き込む。前々から幾度も言われる悪い癖、喩え指定の時間を告げられ此の時刻に起こしてと頼まれたとしても未だ夢路に留まらせて遣りたいと云う一方的な感情から如何しても起こせ無ェ。
其れで後々から起こして呉れれば良いのにと云われる事は見えてンだけど、如何しても寝顔を堪能して仕舞う。遅刻は二時間迄許すとの言葉通り、23時迄には白雪姫の眸を覚ませられる様善処しようか。
気付けばホットチョコレートが注がれたマグの中身も空、口寂しい俺の御供はチョコ様。携帯端末と共に揺れる黄色いヒヨコが愛しい。
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暗闇に包まれる室内、音楽機器から伸びるイヤホン拠り届く一曲。エンドレス再生。床に両脚を伸ばし、背面を凭れながら只管メロディに没頭する。都会の煌びやかなネオンが窓越しからカーテンを抜けて光る中、閉じて居た眸が俺の姿を映す時そっと微笑を携えて。
デジャブ、否、現実。幾度も廻り過ぎるアルバム。寝息を立てる其の口唇に、触れ消えて仕舞いそうな接吻を。しょっぱい味も、一種のスパイス。何時、だったっけ。
詰まりは接吻魔の俺が、其の柔和な存在に飢えてるって事か否か。背中から抱き締めるのも、抱き締められるのも大好き。
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クローバーの花言葉、幸福以外に「私を忘れないで。」だそうだ。
隣を見よう、手を繋いで見よう、ホラ、其処にはダチの姿。
ずっとずっと俺等はダチだ。
大丈夫大丈夫、ウン、俺は大丈夫。行って来ます。
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