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春眠
 ┗426

426 :柳生比呂士
2009/04/22 23:39

(前頁の後日談、)


今朝、朝練で部室を訪れた時有る筈の小瓶が姿を消して居た。無造作に置かれた忘れ物で有ろうタオルやプリント類、冊子等々が散乱する机上。置かれて居た筈の彼の方は忽然と姿を消した居たのだ。昨晩部室を最後に出たのは私と幸村君、其の時には未だ彼の方の姿は有った筈、と云う事は今朝の内に誰かが――等と逡巡する事数刻。
「御早う、柳生。」と奥の部屋から丸井君の姿が、其の手には例の彼の方、小瓶が握られて居ました。中身は空の儘だったので其の小瓶を如何するのか問うと如何やら数日詰めていたチロルは膨大な量を親戚方から頂いた物だった様で今回御裾分けの意を込めて行い、其のストックが切れた今容器を回収して居たと言う事らしいのです。
御菓子に直ぐ手が伸ばせない事を随分悔しがって居た様でしたが、私が御馳走様でしたと告げれば満足気な笑顔で頷いてくれた彼。何時か亦、あの小瓶が再び部室の机の上へ置かれる事を私は何処かで淡く期待しつつロッカーに手を掛けたのでした。


───然うして居る内、丸井君の持つ小瓶とは違う容器が午後の部活中に置かれて居た事に気付いたのは終了後着替える為にロッカーを開けた時でした。其の中には、さくらんぼの飴玉。一体誰が、?


其れは、私の堂々巡りの日々の始まり。

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