top
春眠
 ┗438

438 :仁王雅治
2009/05/06 15:11


毎年心待ちにする八重桜、咲き誇る其の姿に恋情を覚えて。


微風が花弁を揺らし其の音が鼓膜に触れる。何処か懐古を憶える其の音に目蓋をそっと落とす。視界を閉ざした先に浮かぶ桃源郷、俗界を離れ只管に焦がれ続けた其の世界。森羅万象を味方に、総てが俺の掌中の中に有ると錯覚すら起こして。
二年前の彼の日、坂道から見上げた桜花の木々達を俺は決して忘れ無い。色褪せて行く記憶が光景が景色が在ろう共、幾度も此の眸に映し続けて来たビジョンは鮮明に思い起こされる。

「御前が居て呉れると安心する」、其の言葉が持つ力は余りに大きい。嘘偽り、世辞でも無い、嘆息すら混じる心の底からの言葉。家族では無いが其れでも家族の様に、喩え形を作ろう共位置は変わる事は無い。然うして自然体で居られる事が。
一ヶ月に一度聞けるか聞けないかの声音が、懐古より鮮明に残るのは多分其処が二人の在るべき場所だからだろう。

[返信][削除][編集]



[Home][設定][Admin]

[PR]♪テニミュ特集♪(携帯リンク)

WHOCARES.JP