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春眠
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468 :
仁王雅治
2009/09/25 00:55
穏やかな秋空の下で如何も部活には行く気に成れンくて、放課後の屋上でごろ寝。唯何をする訳でも無く、徐に動いて行く雲を見て季節はもう秋なンだと感慨深くも思った訳で。制服のポケットの中で御決まりの着信音が鳴ると微睡み始めた意識は現実へ逆戻り、何処か予期しとったかの様にディスプレイに映る『先輩、何処でサボってンですか。』の文字に思わず口角が弛緩した。『何処か、』と返して数分、古びた扉が開く音と彼奴の足音。言って於くが、御前の足音は丸井と同じく一歩一歩重いンよ。目ェ閉じとっても分かる。
黙った儘、唯御前の話に耳を傾ける俺に何時だって笑顔で声を弾ませて時々同意を求める様に俺の顔を覗き込む。────…嗚呼、眩しいと目蓋を細めた。知らぬ振りの記念日、何処と無く俺を窺う大きな眸に声音には出さず口唇でのサイン。簡易に伝えれば二文字、たった二文字のサインが無数に広がって行く。
普段、中々赤也と言葉を交わす事は叶わンが、隅で御前の事も確り考えとるよ。───秋風が吹く空の下、俺の眸は御前だけを見つめてる。
( Happy Birthday、 )
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