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春眠
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478 :
丸井ブン太
2009/10/12 21:22
三連休最終日、外気を吸いたく成って外へ出たは良いケド特に行く宛ての無かった俺は普段乗らない電車に乗ってみた。今日は此処最近の中で一番温かい日で、窓から差し込む西日を浴びながら行き交う人の動きを唯眸で追い駆けて彼奴に似て居る奴を無意識に探した。子供の愛らしい笑い声、女学生達が友人や彼氏の事を談笑し合って居る声、中年男性が忙しなく膝に乗せたノートパソコンをカタカタ打つ音。有り触れた音と、西日の効果で何時の間にか微睡み始めた俺は幾つの駅を通り過ぎたンだろう、気が付けば二周目の半分を過ぎて居た。
其処で、ふと鼓膜を擽る声が聞こえて夢現な脳を叩き起こして周りを見たのは良いンだけど聞き覚えの有る声主は居ない。当たり前だ、俺の馬鹿な頭が創り上げた幻の声なのに隣を見れば彼奴が居る気がして、脳内で幾度も俺の名を呼ぶ声を反芻させた。込み上げる熱い感覚を押し留めて、怪しまれ無ェ様に眠るフリをして呟く様に口唇で彼奴の名前を象った。
今日は何時帰って来るだろう、熱の残る指先に俺の記憶を重ねて唯只管に愛しい彼奴の事を思った。(────心細い、)
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