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光の午後、醒める朝。
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266 :
跡部景吾
2012/10/26 11:42
>>純白の日溜まり、
カーテンの隙間から差し込む光で沈む意識は浮上し、伏せて居た瞼を上げる。日を増す毎に冷たい空気が肌を悪戯に撫で、胸中で舌打ちをした。
徐々に鮮明な景色を見せる視界の中、眉を寄せ歪んだ顔を隠す様に片腕を持ち上げて両眼を覆う所作は今じゃ癖として染み付いちまってる。
寝醒めはいつも最悪だ。不足した睡眠時間を欲すると同時に、再び始まりを迎えた現実に脱力を感じる。
普段と変わらない優雅な朝食、背後に控える執事、控え目なリズムを刻む食器の音、鳥の囀り。何もかもが俺様に取っては当たり前で何ら変哲も無い日常風景だ。
不満が有る訳じゃねえが、偶には違う趣向を凝らして欲しいモンだな。俺が溜息と共に吐き出した呟きに、忍足は「そら贅沢やわ」と肩を竦めた。
――変化を求めて何が悪い。俺様は在り来りって云うのが好きじゃねえんだよ。
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