top
光の午後、醒める朝。
 ┗31

31 :不二周助
2008/06/30 22:40

何かが一つでも欠けたら、駄目に成ってしまう。
口を開いても言い訳しか出て来ないなら、潔く己の非を認め話に耳を傾けるしか無い。










さあ、扉を開けて。
物語の始まりだよ。
其れは哀しくも愉快な歪んだお伽噺。
ある時代の、ある国の物語。

盲目の少年が居ました。
少年は目が見えない代わりに湖に映した様に綺麗な心を持っていました。
けれど、誰も少年を愛して呉れる人等居ません。
少年は常に心無い愚かな人間に蔑まれ、邪魔者扱いされました。
しかし彼は一度も自分の事を不幸だとか、卑下して嘆いたりはしません。
少年は幾ら睨まれても解らないのです。――目が見えない為に。
自分に向けられた嫌悪の視線は分かっていました。
其れを見る光が無いけれど。
何時しか少年は自分を必要とする人は居ないのだと思う様に成ります。
ある夜、無理な願いだと知りながら瞬く星に祈りました。

「たった一度で良いから、僕に愛を下さい」

奇跡か偶然か、少年が祈った翌日に一人の少女が現れます。
少女と仲良く成った少年は恋を知りました。
甘く、切ない気持ちを、其の小さな胸に宿したのです。
少年はかつてない位至福を感じました。
ずっと此の儘、少女と一緒に居られたら……

想いを告げる決意を固め、少年は少女に呼び出します。
心臓が早鐘を鳴らし、周りの音を消すかの様に静かな湖の畔でした。
しかし、待てど待てど少女は現れません。
日が傾き始め空が茜色に染まっても、少女の気配は一向に現れないのです。
不思議に思った少年は少女の家を訪ねます。
少女が言いました。

「もう私に逢いに来ないで。同情で付き合ってあげただけなのに……」

少年は絶望します。
悲しくて哀しくて、独りで帰る通の中、涙を流し続けました。
初めて溢れた涙。
もう、自分には何も無いのだと気付いた時、少年は生きる力を失います。
胸の痛みを絶つ為に少年は――



愛を得る事が出来ずに天へ召された少年は、やがて天使に成りました。
心の安らぎを求めて。
自分を蔑んだ人間に天罰を下す神の御使いに。

嗚呼、人は何と愚かしく滑稽な生き物だろう。其れ故に愛しい。

少年の湖の心は濁ってしまった。天使で在りながら、憎しみを抱いて居たのです。
――何故、僕だけ愛して呉れないの……?




哀しい哀しい物語。
朝を迎える前に幕を下ろそう。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
即興で考えてしまった。
僕って病んでるのかな(笑)
クスッ、日記に物語を綴るのは愉しいね。
誰も見なくても良いんだ。
だって____だから。


     ―――― AM 01:12



#八方塞がりで、
#出口が分からない
#前か後ろか、
#右か左か、
#怯えた心じゃ何も見えないから
#道標を教えて

>隠れんぼ=心の鍵を仕舞おう。

[返信][削除][編集]



[Home][設定][Admin]

[PR]♪テニミュ特集♪(携帯リンク)

WHOCARES.JP