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Aについて。
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136 :
跡部景吾
2010/06/01 22:36
六月から古武術の稽古が忙しくなると話していた日吉は、案の定帰りが遅い。
部活後、部室を出る時に『お疲れ様です』と愛想のない挨拶を聞いたきりだ。
他人の目をした横顔を見て相手とのセックスを連想した俺の思考回路は、本当に救いようがない。
毎度の事ながら、余所行きな態度ほどそそられるモンはねえな。
俺に組み敷かれる日吉を、部員はきっと誰一人として知らない。それが堪らなくいい。
『アンタは忘れてるでしょうが、今日は遅くなるんで勝手に飯を食っといてください』
メールが届いたのはマンションの玄関で靴を脱いでる最中だった。
「お前も忘れてるだろうが、今日はセックスするからな」
『何なんですか、突然。日本語が崩壊してるんですけど』
「帰りが遅いんだろ?だったら風呂はいらねえな。制服姿でベッドまで来い」
『…あれこれと人の予定を勝手に決められても困るんですが』
「嫌なのか?」
返事はなかった。21時の今になっても、専用の着信音はリビングに鳴り響かない。
…後1時間もすれば帰ってくるだろうか。当時聞いていた帰宅予定時間は確か22時だった筈だ。
外の匂いを身に纏ったまま、何なんですかあのメール、とでも言うだろうか。
俺のいない数時間の間に、何度かその内容を思い出す事があっただろうか。
きっと日吉はこのマンションではなく、実家でシャワーを浴びてから帰ってくる。
疲れているんで、などと言う癖に、抱き締めれば洗い髪の匂いがするだろう。
それを思うと欲情する。…本当に救いようがない。
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