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Aについて。
 ┗28

28 :跡部景吾
2008/05/23 18:57

世界には、ありとあらゆる可能性を算段しても決して逆らえない力がある。
例えば今。抗う術なく、一瞬一瞬を、そう、この一瞬さえ消費し、『今』が終わっていく。
日々は瞬間の連続を重ねる事で流れ、感情も感覚も生まれたと同時に、死ぬ。
昨日好きだとお前に言った俺はもういないし、昨日の俺に好きだと告げたお前もここにはいない。
今、お前を好きだと言っても、一分後のお前はもう俺が好きだと告げたお前じゃない。
だから俺たちは瞬間から繋がる瞬間を追う様に、際限なく陳腐な言葉を紡ぎ合うんじゃないだろうか。
ふと、そんな事を考えた。

瞬間を置き去りにし、ただ漫然と季節は過ぎ去っていく。
そして、その無慈悲さこそ、矛盾して慈しむべき現象だと俺は思う。
「蝉も.花も.悲しいと思える.人間の.感性を.俺は.愛して.いる」からだ。
今日の尊さを知らなかったら、俺は今ほど何をも大切には出来ねえ。

ポラロイドに閉じ込めたお前が、しんしんと、心の奥に積もっていくのを感じる。
今更なんて事は、本当はどこにもありはしない。あるのは今、この瞬間だけだ。
俺は過去も未来もいらないし、そもそも、そんなものは誰も手に入れる事は出来ないだろうと思う。
だから、A。言葉を惜しまず、四六時中俺に『今のお前』を聞かせて欲しい。
お前の欠片を残さず拾い集めて、俺は全部ここに閉じ込めるから。


俺たちはきっといつか、忘れないが、忘れる。
そう在れる事はきっと幸福な事だ。

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