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Aについて。
 ┗34

34 :跡部景吾
2008/05/28 18:44

3時間目の特別教室は窓際の席が割り与えられて、丁度そこからグラウンドが見えた。
Aのクラスだ。…いや、AがいたからAのクラスだと解っただけで、実際はAのクラスが何組かなんて正直覚えちゃいねえんだが。
探そうと思ってジロジロ見てたわけじゃねえのに、あの人数から偶然アイツを見つけ出した俺の眼力は変態的だな。
なるほど。二年坊主の体育は今、陸上競技らしい。
そういや去年の今の時期は確かに障害走だったような気がする。…なんて事を考えながら斜め上の世界からAの動きを視線で追ってみる。
Aが走り出した時、転べ、と呪いをかけてみたが、当然ながら結果は失敗。嫌味ったらしく一位でゴールしやがった。
まあ、ハプニングさえ起きなきゃ当然の結果か。うちの部員なんだからな。
Aに続いて走り終えたヤツがAに近づき話し掛ける。恐らく「早いな」とか何とか言ってるんだろうが、そんな言葉にもアイツなら表情ひとつ変えねえだろう。
いっそ嫌味ったらしく「そうか?」とか何とか返すに決まってる。可愛くねえ野郎だ、と脳内で毒を吐く。
……つうか、アイツの肩を気軽に叩いてくるクラスメートがいる事が驚きだ。あれでいて同級生には社交的なのか?…想像出来ねえ。
とか思ったところで、グループを組んでる女に話し掛けられた。よっぽど呆けたツラでもしてたのか「跡部君、大丈夫?」だとよ。
そうして裂きたくもねえ蛙の白い腹を裂き一息ついた後で窓側を振り返ると、Aの頭は生徒の山に紛れ込み、どこにいるかもう解らなくなっちまってた。

俺がいない環境じゃAはどんな顔をして何を話してるのだろうかと、ふと考えた。
俺もAも部活はプライベートと切り離して考えてるから、ああいう時のAは俺の中で完全に「部の後輩」だ。…だが、他の場面は?
泊まりに来た朝、布団の中でキスをして離れがたいと駄々を捏ねるアイツは、その後どんな顔をしてクラスメートと話し授業を受けているのか。
いや、想像は出来る。優等生気取りのクソ真面目さでノートを取っているに違いねえ。初恋もまだ知らないような涼しげな顔をして。
……リアリティがない。
Aは無遠慮に毒を吐く。時々笑い、たまに拗ねる。我侭を言う。目上である部長の俺に「バカ」だの「ハゲ」だの言ってくる。ベッドの中で、猫みてえに甘える。
リアリティがない。まるでリアリティがない。




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>3丁目「LOVE KISS」のお前
初対面の挨拶代わりに羞恥プレイで責めてくるとは、随分と鬼畜な野郎だ。気が向いたら回答、……するかっつうの。
猫語ってな、お前、どう考えても虐めじゃねえか。パスだ、パス。

>6丁目「流れ星、一つ」の鳳
リストから反応が戻ってくるとは思わなかった。主張してみるモンだな。お前の綴る文章の、底から滲み出る感覚に勝手に同調してる。
めかし着飾る事が下手な俺らはみっともなく足掻いて、枯れた声を相手に届けようぜ。同士のお前と、お前の恋人にも俺から流れ星を一つ。

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