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Aについて。
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74 :
跡部景吾
2008/06/28 13:42
ガキの頃、見逃すんじゃねえかと懸念し、放送の10分も前からテレビの前に正座して待つほど好きな番組があった。
『i.f~も.し.も~』
タ.モ.リがストーリーテラーのオムニバス形式のドラマなんだが、……ああ、勿論俺は中学三年だ。疑念は抱くな。
何だか知らねえが、俺は昔から妙にもしも話が好きだ。語り合う相手に恵まれねえ時はifの自問自答を脳内で展開し、勝手に盛り上がってる事すらある。
俺はムッツリじゃなく、どっちかっつうと脳内に留めておくべき妄想を本人に垂れ流してドン引きされるタチなんだが。
仮定。もしAと付き合ってなかったら、いや、それ以前にもしAと出逢ってなかったら。
もしも、ああしていたら、ああなっていたら。あの場所へ、行かなかったら。
お前は俺以外の誰かの腕の中で眠る事もあったんだろう。それを時々考える。
勿論、どれだけ想像の世界へ羽ばたこうと、当然に仮定の可能性はどこからも戻ってきやしねえし、同じくして掌に得た可能性も等しく変わらない。
だから人は矛盾して夢想に耽り、時に逃避し、時に今を慈しむのかも知れない。
偶然は雨の様なもので、誰の元にも平等に降り注いでるモンだと思う。
要はその事象に気付く事が出来るかどうか。気付いたその時に目一杯葉を広げる事が出来るかどうか。
そして土に染み込んだそれを余す事なく吸収出来るか否かだ。
俺達が運命の列車に揺られ行き着くべき駅で巡り合ったとは全く思わねえ。
例え組み敷かれたレールの上で踊らされているとしても、乗り換え下車した行動は自由意志で選択してきた筈だ。
俺達は偶然を自らの意思で勝ち取り、稀有な今をこの手に得た。そう思わねえか、Aよ。
結局のところ、ifはifでしかねえから俺はもしも話を好んでいるのかも知れない。
ゲームの様にセーブやロードが使えたとしても、きっと俺はコントローラーを投げ出しちまうだろう。
こんなにも俺の心臓を満たせる人間はお前しかいないのに、それをわざわざ確かめるなんざあまりに野暮だ。
それに断言出来るぜ。
俺以上にお前を幸せに出来る男だってどこにもいやしないんだと。
A、心も体も腹一杯にしてやるよ。
(ちなみに今日は体の方だ。覚悟はいいか?)
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