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Ａについて。
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87 :
跡部景吾
2008/10/31 21:26
仁王雅治、という男がいる。
電波とタミ.フルを足して二で割り、ギャル男特有の安っぽさをデコレーションしたような男。
コードネームはブルーフィルム。
『恋人サンとはどうなっとるんじゃ』
「どうなってるも何も別に変わりゃしねえよ。今も昔も極めて順調だ」
『そうか。そりゃ何より。恋人サンは元気か？』
「極めて順調っつってんのにその質問か。出産前の女じゃねえんだ。順調なのに情緒不安定とかねえだろ」
『マタニティブルーの女みてえに細かい部分つっつきなさんな。で、どんな感じなんよ』
「Ａは出産直後の赤子を抱く母親の如く幸せ絶頂期、毎日ご機嫌だぜ」
『ほう、羨ましい限りだな。是非教えといてくれ』
「何を？」
『お前の恋人サンが何つー薬を飲んどるかを』
コイツの恐ろしいところは、これがブラックジョークじゃなく、完全に素である所だ。
お前こそどんな薬を飲んでサイケにキマッちまってんだよ。
付き合いは二年。
精神的距離も、また、物理的距離も面白いほどに変化を見せるが、ひとつだけ変わらねえ事実がある。
仁王、テメエの香水は未だにクドい。
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