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…で、欲しいものがあるんだが。
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跡部景吾
2008/10/19 01:44
この男との記憶は、冬のものしか無い。
夏の記憶はすっぽりと抜け落ちて、もう秋だ。直に、また冬が来る。
以前から顔と名くらいは知っていた。
よく言葉を交わす様になったのは、…二人で逢う様になったのは、冬の日に偶然出逢ってからだ。
冬の日の深夜、時刻は1時を回っていたが、眠れない俺は外へ出た。
道を歩いていて声を掛けられた。第一声が「余り余所見をして居ると、転ぶぞ。」。誰に向かって物言ってんだと振り返ると眼鏡の男が立っていた。
こんな所で何をしている、と至極当然の疑問をぶつけると「跡部を探しに来た。」と言った。
眠気が訪れるまで、暇潰しの言葉遊びに付き合う事にした俺は「偶然だな、丁度御前に逢いたかった。」と返した。
只それだけで終わる筈だった。
何の縁かそれから季節が巡って尚、俺はこの男に逢っている。
春夏の記憶が抜け落ちているんだが、春も夏もコイツは生存していた筈だ。
記憶を辿ってみたが…非常に残念な生存の仕方だった。
5月の記憶では朝方、既に4時を回っているのに俺様とコイツは延々、キノコおっきのこの話をしていた。
偶に、極々稀にだが。
俺はこの男と共にベッドに入る事があって（つっても話してる内に帰れなくなり渋々奴のベッドを借りて眠るだけなんだが）
ベッドに寝転がりながらキノコの話を。
奴のベッドサイドにはキノコの人形が置いてある。某携帯会社製の携帯画面拭きらしいが異様にデケェ。キメェ。
デカ過ぎやしねえか、とかそういう話からキノコおっきだの中学生男子が二人でベッドでおっきはキメェだのおっきしてなければそれはそれで嫌だだの
男女だろうと男同士だろうとキスをするとおっきするだのしねえだの、
おっきのメカニズムについて延々。朝まで。
結局は「思春期だから。」で纏まったが、
…下らねえ話してんな。なァ、眼鏡。
さて、キノコに字数を取り過ぎたが。猫の話だったな。
また野良猫の観察か。テメェは余程、野良猫の観察が好きらしいな。
…まで書いたが。テメェに捕まって頭が働かなくなったんで以下次号。（と書いて置けば良いという結論に達した。）
>メモ
猫
プレゼントと負けず嫌いと悪足掻き
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