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Hawkeye~ありがとうございました~
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488 :
日吉若
2009/04/07 22:38
「俺の初体験、金縛り篇」
もう何年前の事だか忘れたけれど、あの日から悪夢の様な日々が始まった。
それはある夏の日の事…。
その当時、俺達家族は二年程アパートに住んでいた。
今は一軒家ですが、都合でアパートに住む事になった。
確かその時、俺は怖いものが大嫌いだった気がする。お化け屋敷なんて絶対入らない様な子で、映画も見れない様な子だった(小学生の時は今みたいな性格ではなかったって事)
たった二年間、ずっとこのアパートで住む訳じゃないからとクーラーは付けなかった。
夏は水風呂と扇風機で過ごした記憶があります。
その時怖がりだった俺はそのアパート(っていうか部屋)の前の住人の事を大家さんに聞いてほしいと母親に頼み、事件や事故がなかったかを一番に知りたがった。
母親の話では何もなかったらしいし、前の住人も今でもピンピンしているとの事(っていうかそんなの起こってても普通言わないよな)
その話を聞いた俺は安心してそのアパートに足を踏み入れた。
住み始めて何ヶ月かたったある日、その日は寝苦しい夜でもなく、直ぐに眠りについた。
夜中だろうか、ふと意識が浮上して目が覚める。
扇風機のタイマーが切れたからだろうか、そんな事をぼんやりと思っていると不意に身体が動かない事に気が付いた。
驚いた俺は思わず満身の力を振り絞って上体を起こす、と、それは後ろから伸びてきた手によって阻まれる。
その手は俺の頭を掴んだと思えば思いっきり引っ張った。
反射的に閉じた瞳、頭には枕の感触、ある筈のない三つの気配。
心臓が激しく動くのを身体で感じる。
怖くて目が開けられなかった。
その三つの内の一つの気配が俺の顔を覗き込んでいるようだったから。
見ていないのに気配で分かる、三つの気配は全て女。
俺の上に一人、横に一人、台所がある部屋に一人。
正確には女の子が二人に女が一人。
声を出したくても指一本動かなかった。
不意に横にいた女の子が俺の耳元に顔を近づけて囁いた。
「お腹の上でお肉を切るの」
その瞬間ひやりとした手だろうか、が服の上から俺の腹を撫でた。
危ないと脳が警告する。
それでもどうにも出来ない。
自分でもどうやったのかは分からないが、その瞬間俺は瞳を開いた。
瞳ひ映ったのは天井でもなく、女の子でもなかった。
寝る時には閉めた筈の襖から覗く二つの目玉…
その後の事は詳しく覚えていない。
もしかしたら気絶していたのかもしれない。
気が付いたら身体が動く様になっていて、確認するように起き上がったのは覚えている。
その日からだろうか、毎晩の様に金縛りが起こる様になったのは。
俺は寝る事が怖くなって寝不足が続いた。
今ではその金縛りも起こる直前に頭ぎ起きる様に回避出来る様にまでなった。
でも頻繁になり過ぎてそろそろウザくなってきたので枕に塩を入れる事にした。
塩を入れてからは金縛りにあう回数もかなり減った様に思える。
その体験以来、お化け屋敷にも余裕で入れる様になった。
あの時の恐怖以上の事なんて滅多に起こる事ではないのだから。
そんな俺の初体験、指が疲れたのは言うまでもない(←)
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