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メフィストフェレス -Mephistopheles-
 ┗456

456 :跡部景吾
2009/04/07 22:38

#『跡部、月曜に帰る』
「あァ、今迄待っていたンだ、ちゃんと待てる」


>Eine Zeit der höchsten Seligkeit


引き蘢り決め込んでいた白石が、漸く俺の処へ帰ってくると云う。
友人として何があっても傍に居ると云う約束は、例え環境が変わっても不変のモノ。
白石が俺を求めている時には惜しみ無く傍に、但し、そうじゃねェ時は無理に傍に、とは思わねェ…無理して何かして貰っても少しも嬉しくなんかねェから。
勿論弱っていて頼りが欲しい時には甘えりゃいい、どんなに落ちて居ようとも。
そうじゃねェ、一人で居たいだろう時には敢えて少し離れた場所から見守って…俺が必要だと云うサインを見逃さねェ様に…後は待つだけ。
此れが俺のポリシー。
(求めてるっつうのは話し相手だったり暇潰し相手だったり気晴らし、其れから美味い紅茶が飲みたくなったり…全部引っ括めて、)

基本的に部屋に行くのは俺の気紛れ、時間も場所も全て気の侭。
月曜っつーキーワードさえ貰えれば俺にとっては充分過ぎる程。
オマケに絶好の御誘い文句、
#『美味いケーキ用意する』
嗚呼、なんて魅力的。

何時も通り勝手に部屋迄上がると未だベッドで微睡む白石の姿。
挙句、徐に指し示された冷蔵庫に、頼む、と云う御強請り付き。
瞬時に叩き起こして…寧ろベッドから蹴り落としてやろうかと真剣に思ったが、実際俺はあの一言に弱いらしい。
文句を云うのは忘れずに、ついでに大袈裟な溜息もオプションで…しかし今日だけは特別に、と、用意されたレアチーズケーキを切り、紅茶を選ぶ。
馴染みの、アールグレイを、とも思っていたが、折角のレアチーズに良く合うだろう「ムッシ.ュ」と云う紅茶を。
漂うブルーベーリーとアーモンドの香り、ケーキのソースも甘酸っぱいブルーベリー。

何時も通りの満足なチョイスに、白石の選ぶケーキを楽しみにしていたンだと伝えれば『ケーキは俺に任せとけ』との頼もしい返事。
其れから漸く…何時もの微笑みと共に告げられた、俺の待ち望んでいた言葉。
あァ、俺はきっと此れが聞きたくて、今迄待っていたのか、と。


#『跡部、タダイマ』
「…御帰り、白石。待ちくたびれたぜ」


俺を待たせるとは良い度胸だ、待たされた分は勿論、御前に埋めて貰うぜ。
文句は無ェよな…なァ、白石。


# 御帰り、日常と云う名の、極上。

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