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メフィストフェレス -Mephistopheles-
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480 :
跡部景吾
2009/06/12 00:20
>空高く輝く、あの月を
別に何でも良かった。
欲しいモノは大抵手に入る環境、強いて云うなら自由な時間と気持ちの余裕、其れだけ。
気紛れにアレを…忍足を振り廻せりゃ其れで一時は満たされた。
俺が頼めば必死になって応えようとする様子を、見ていたかっただけなのかもしれねェ。
# 太陽の黒点に触れて来い。
# 他より温度は低いから大丈夫。
# 周りは熱ィから気をつけろよ。
戸惑ってばかりでなかなか行動に移そうとしねェ反応に苛立つ。
仕方無ェから少しばかりの御褒美を、
# 触れてきたら何でも云う事を聞いてやる。
燃え尽きるかもしれねェが頑張る、と…漸く其の気になる忍足。
…が、既に俺は飽きていた。
# …バーカ、其の侭燃え尽きろ。黒点はいい、もう飽きた。
よく毎日俺の気紛れに付き合って居られると思う、俺なら無理だ…いや、俺は俺が大好きだが俺と全く同じ俺が居たとして上手く遣っていく自信は皆無だ。
ただ、俺の求める言葉をくれねェのも事実、如何にか引っ張り出そうと言葉を変え、方法を変えて…其れでも思い通りに行かねェ状況が続けば出て来るのはやはり、アレの云う処の『無理難題』とやら。
# なァ、忍足。月が欲しい。
期待なんかしていなかった。
太陽の時と同じ様に、また無理だの何だの云われるのがオチ位に思っていた。
…が、
アレは見事に…俺の願いを叶えてくれた。
期待した言葉なんかじゃなく、彼奴の遣り方で…彼奴の考えで…見事な迄の月を、俺に与えてくれた。
趣味は合わねェ、価値観も感覚も認識さえも違う。
時に其れを不自由だと思う事も有る。
けど、な。
何時もの様に俺の考えを全く無視して、俺の想像の斜め上を闊歩する忍足に…不覚にもドキッとさせられたのも事実。
其れはきっと、俺の予想の範囲を良い意味で外れて居たから。
良いじゃねェの、感覚が違う?上等だ。
違うからこそ知る事があって、予想外だから驚かされる。
一人一人違う人間なんだ、全く同じなんて方が珍しい。
違うが故に傷付けて、其れに気付いてやれねェ事も有る。
気持ちが落ちている時にそんな事実を打ち明けられちまうと俺ですら此の侭で良いのか、なんて事がチラ付く。
良くなる様に変えていかなけりゃと思う反面、其の余裕がなく傷付けちまうだけなら…なんて痛み。
弱気になっている事実と「跡部景吾」と云うプライド。
出口が見えねェ闇に自ら踏み込んでは手探りの繰り返し。
漸く見付けた扉を開けばまた現れる闇。
如何、しようか…───。
考えて考えて、少しずつ明かしていった俺にくれた『予想外の』彼奴なりの答え。
# 好き、好きや。あいしとる。
# さっきまで、一人でぐるぐる考えて、行き着いた答えがここやった。
# 傷付けられたとしても一緒にいたい。
# お前を好きなんや。
飾り気のねェストレートな言葉は其の侭、俺の心に絡み付く。
本人曰く無ェ頭遣って必死に考えてくれた打開策と妥協案、1~4。
4迄提案しておきながら頻りに1をアピールしていたが…俺なりの答えを御前へ。
> その0
> 寝室の天井に北極星と北斗七星を飾りたい
8つの星を全て捕まえて来る迄、御前は御前の侭で…努力を怠るのは俺が許さねェ。
俺がしっかり見張っていてやるから…気ィ抜くンじゃねェぜ?
「俺」は、此処に居る。
確かに存在して居るンだ。
# ……御前と共に、
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