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多重風雅。( special THX!)
 ┗482

482 :越前リョーガ
2010/10/28 01:43

:

こけら落しから、×日目。

:

( 上記は屡々報道等でスポーツにも遣われる言葉だが誤用だとの声も。だが敢えての使用。)

:

試合の出だしは好調。
そして此の悦びを誰依りも伝えてェのは、御前、だったりする。

御休み、今宵も甘い夢に御前が守られます様…――

:

今さっき。Topのcounterが、today:777だったっつう。
幸先良い事を願いつつ。

試合ゾッコウ。

- - - - -

客席に御前が居る、
其ンな夢を視たのよ――。

:

銀色に光るfenceのムコウに見慣れた御前の仏頂面。
ゲーム開始のcallは数時間後。
雨に濡れたgreenに白線のエンド・ラインが鮮やかで、踏み締めると真新しい天の涙が靴底から滲み出た。

昨日の緊張感は、別のカンジョウが拭って呉れたが、其れはresetとは懸け離れた箇所での現象だった。

雨に打たれて短いデモンストレーション。
余興にも成りゃし無ェ俺の内側は、不思議とracketの描くラインにゃ然程影響は出なかった。が、同時に、身体に染み込ませたplayっつうのには抗えねェンだなと思ったら自嘲が滲ンだ。

丁度、靴底で踏み締めた其処から、ジワリ、滲む雨の残骸みてェに。

:

ボールを取り零しそうに成った俺を、離れたfence越しに、御前が嫌味たらしい顔で笑った気がした。
途端、自ずと活力に火が点いたのは言う迄も無ェ。


―――ハ、上等。

今日の試合も、負ける気が、し無ェよ。

御前の其のガキ臭ェ皮肉めいたカオすら。勝利の女神の微笑みに見えちまった俺は今日、イチバンイカレちまってる。

- - - - -

御前と居ると嘘みてェに時間がアッと云う間だった。
記憶に在る限りでも数少ねェ逢瀬。


すっ…げえシアワセ、だったよ。
御前に触れりゃア柄にも無く。
触れた箇所から、内側から。
蕩けちまうかと思った。


――…THX.

:

熱冷ましに打たれた、雨の向こうに白く烟る、景色。
足許の地が酷くぬかるンで、良く見えずに居る。
思考を穿つ雨雫を払う、時間を。俺に。

然う、だな。せめて。
tourが終わる、――迄。

:

―――、delete、

- - - - -

御前からの手紙を開いて読み返す。
飴玉を包むみてェな小さな紙に、掠れた文字。
面倒臭そうに粗雑に結わえられて。
筆跡は彼奴自身の性格を表して居る様で、酷く素っ気無く。

未だに愛おしくて仕方が無ェのよ…、御前のスベテが。
出来る事なら時間を巻き戻して。
御前を抱き締めて、髪を撫でて、此の腕のナカの御前を。

アイしてた。アイしてる。

嗚呼。俺は本当にシアワセ、だったよ。

彼ンなに満たされたのは。
何時振り、だったかね――。

:

モウイチド、
アジワイタクナルキモチヲ、
_____。

:

――なァ。御前のオニイサマは。
矢っ張り御前じゃ無ェと駄目で。
御前が居ねェと、生きて往けねェ、みてェよ。

出来る事なら御前を此の腕に掻ッ攫って、熱い儘の気持ち、熱い儘のカラダを交えて抱き合いてェよ…――

:

……スキよ、坊や。
俺と同じカオした、ナマイキ・ケムシ。

例えカタオモイに成っちまったとしても。
御前を、アイ、シテル。

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