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多重風雅。( special THX!)
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484 :
橘杏
2010/11/01 11:01
>> maid in mermaid、
>> 脚の代わりに、声の代わりに、
# 恋に破れて、海の泡となった
# 哀れな人魚姫の気持ち。
# 今なら解る気がするのよ…――
そんな科白を吐ける程、あたしは可愛いオンナでも、ユメミガチに少女趣味でも無かったみたい。
だけど、
# 次に逢ったオウジサマには、
# 硝子の靴にサインして、
# 名刺代わりに手渡すわ。
# 「これであたしを探してね
」
なんて言える程、逞しくもなかったみたいよ…、
……当分。あたしはあなたとの想い出に浸って、海の泡にも似た揺りかごの中。
:
王子様は、硝子の靴なんかよりも、姫の顔を覚えてはいなかったのかしら。
靴を頼りに花嫁探し、だなんて甲斐性の無いオトコ、あたしなら願い下げだわ。
例え顔を覚えていなくとも、運命の相手なら、何度出逢ったって恋に落ちるはずなのよ。
嗚呼、もう。だらしがないわね!何度だって、ビビビッ、と来ちゃいなさいよ!
姫はそんな相手で良かったのかしら、とたまに思うの。
でもそうね。彼女が王子のルックスや地位や財産に惚れたのではないとしたら。本当に純粋な気持ちで惚れてしまっていたのなら、相手の甲斐性の無さや欠点すらも関係無くなってしまうのも解るから。
恋、ってそういうものよね。
恋に狂った恋人たちは、短所も長所に脳内変換されちゃえば、この人じゃなきゃ駄目だ!とか、あの人の為なら死/ね/る!だとか本気で思えちゃう。
ご愁傷様。
悪いけど噴き出しちゃいそうなの。
思い込みが激しくて、単純で、若くて、馬鹿みたいだわ。
だけど、だけどね。
解らない訳じゃあないの。
いつの時代だって、きっと理屈じゃないのよ。
:
―――…ねぇ。
あなたのオウジサマはきっと。
この先もずっと。
あなただけをアイシテルと。
そう誓って、笑うんだわ。
馬鹿なオトコ、ね…、
:
有り難い事にお伽話の人魚姫さまのように声は失わなかったから、オウジサマはオヒメサマと眠るまでお話をしたいとそう申し込みました。
オヒメサマは海から上がったばかりで、ひどくお疲れで眠かったのです。
眠りが二人を分かつのを寂しがって「離れたくない」とぐずるオヒメサマ。
だけれど、オウジサマがさらに疲れていて睡魔に犯され始めていた事もご存知だったのです。
彼女は寂しい気持ちを抑えながらも、彼を気遣ってこう言うのです。「お身体にさわります、どうかもうお眠りください」
「あなたが眠ってから。わたしは眠りにつきましょう。それまで起きて姫のそばにいましょう」オウジサマはそう、お約束なさったのです。
オヒメサマは、しあわせ者、だわ。
:
これはまた、別のお伽話。
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