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多重風雅。( special THX!)
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491 :
越前リョーガ
2010/11/09 05:25
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疲労感の纏う身体を引き摺って、這い出る様にして出た表のメイン・ストリート。
見慣れた往来は、今日に限っちゃア何処か居心地が悪くて、心ン中で舌打ちを打ちながら早々に車を拾う。
烟る様な朝方の空気に違和感を覚えつつ、半ば追い払われる様にして開いたドアの奥に身を滑らせる。
行き先を告げると緩やかに加速を試みる車体。
切り取られた空間が、走り出す。
明けたばかりの冬の早朝。低く白い曇り空の下で、行き交う車がアスファルトを削る音を、硝子越しに唯無心に流して。
細く深く息を吐き出し、諦めにも似た空気を纏い、シートに背を預けて其処に埋もれた。
皺一つ無く伸ばされた、白いシートが無機質で事務的で、上がるメーターの分でしか俺を受け入れちゃア呉れ無かった。其れが酷く現金で、解り易くて物哀しかった。
highwayに乗り上げた車が遠慮無く速度を加える。未だ点灯した儘の両脇の橙色の照明が、夜の名残を思わせる。車窓と向き合った俺の視界を右から左に高速で移動して、無数の橙が細かい線と成る。まるで走馬灯の如く。
外気に冷たく成った硝子に、掌を添えた。はっきりと伝わる温度に、未だ感覚が正常で在ると告げられた気がして、申し訳程度に安堵した。
同時に今日一日を、無感覚で過ごして居た事に気付いてゾッとしたのも亦、確か。
僅かに引き戻された様な、五感。
突如震えた携帯が、着信を伝える。
中を開いて確認する気力さえ、――
視界を染める淡い橙が、無遠慮に瞳に、凍みた。
明確な痛覚が、目蓋の裏に、滲む。
流れる景色が不恰好に、捩れる。
ツキリ、と毒する、胸の裡。
――探して居たモノ、に、探しモノは御前じゃア無い、と謂われたかの様に。
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試合に塗れて居れば、
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