top
┗
Cherish
┗17
17 :
南健太郎
2009/05/15 15:02
爽やかな五月の朝だ、と深呼吸しながら硝子窓を開けるとベランダに見慣れないサンダルがころり。
しかも左側だけ。
新緑に慣れた瞳に、派手なピンク色は眩しい。
きっと上階に住んでる女の子が落としたんだろう。
*…
『返せ』と言われたのは此れが始めてじゃ無い。
時間も安寧な日々も安心感も。
決して眼に映らず、そして手に掴む事が出来ないもの。
失うのは容易いのに戻る事は決して無い。
取り戻して遣る事も、俺には出来ない。
俺は誰かからまた何か奪ってしまうんだろうか。
『闘うべきは己の優柔不断な心』
何処かで眼に留まった言葉。
誰彼が誰彼に諭す為に掛けた言葉が、今、眼に沁みる。
*…
『人間サンドバッグ』なんて懐かしい言葉を思い出した。(…)
俺の人生レールなんて、所詮こんなもんだ。
[
返信][
削除][
編集]
[
Home][
設定][
Admin]