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Cherish
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28 :
南健太郎
2009/08/29 21:11
蕾が綻ぶ様を、少し気取って“花笑み”と言う。(らしい)
通り過がりの花屋の店奥の冷蔵ケースの中で、白い大輪のカサブランカが鎮座していた様子を思い返す。
反り返って開く大振りの花からは、ドレスを翻して微笑む女性の姿が浮かぶ。
揺れる衣装から、甘い霧が拡がる。
清楚に、はたまた妖艶に。
噎せる様な芳香は此の植物の本性なのだろう。
*…
甘い芳香の後には、何が残るのだろう。
精々、朽ちた色した花弁の欠片と黄色い花粉と。
一度付着した黄色い花粉は容易くは落ちず、花に不用意に触れた事への免罪符とはならない迄も“証”として夥しく指先に纏い残る。
再び思惟を深めたり悔やんだり、日々の徒然はそんな日常の繰り返し。
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