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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
 ┗106

106 :跡部景吾
2007/12/09 17:35

不細工なぬいぐるみを、未だに捨てる事が出来ない。
俺が元気を無くした時に、それを使っておどけてくれた。
その時の事を思い出すと、部屋の調和を明らかに損ねるソイツを。
どうしても、何処かにやる気にはならねぇ。

写真すら、見ようとはしなかったのに。
人間っつうのは、矛盾の塊だ。
否、俺の話―…なのか。

そんな風に閉じ込められる事を、望んでいないだろうっつう事、は。
或いは本能的に知っていて、それでも俺は、押し込めていた。
隠す、っつう言葉を遣いたくねぇ程に、色んな何かを覆おうとしていた。

昨日を失う事は、今日の自分を損じる事だ。
俺の今は、これまでの集約なのだから。
過去は過去に過ぎねぇが、それを無くす事で俺自体の何処かを欠く。
失った物位、直ぐに補ってみせるけどよ。
そうして補充していく行為は、必ずしも利口な事じゃねぇ。

切り捨てて行く事と乗り越えて行く事は違ェ。
それに、忘れる事と許す事も、似ても似つかねぇ話だろう。

何時でも望まれる自分で在りたいんやな、と忍足に言われたが、それは一見合っている様で大外れだ。
完璧な自分であるっつう事は、誰の為でもねぇ。
他ならぬ、俺様の望みなんだからよ。

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