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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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177 :
跡部景吾
2008/06/06 14:43
アイツの感覚は常人の「普通」から大幅にずれてやがる。
深海魚に限らず可笑しな姿をした生き物を好む傾向にあると見ているが、アイツにとってはそれが「普通」なのだから別に「普通」と違うイコール「変」だとは思わねえ。訂正する。思わねえ様に心掛けている。
但し「個性的」ッつう言葉を遣う位は赦せ。生まれて初めて見た例の黒光りする虫(戦わせたり夏休みに追い掛ける方じゃねえ。各家庭で嫌われがちなアイツだ)にはしゃいでメールをして来る程度にはアイツは「個性的」な部類だ。
昔の日記に書いた話だが、雨上がりの道を歩いていたところコンクリートの上に黄色いロープみてえな物を見つけた事がある。何気なく視線を落とすとソイツが動きやがったから思わず凝視した訳だが、よく見ると端が三角型になっている。どうやら生物ではあるらしいがヘビやら何かでは無さそうだ。
―‥此処まで読めば分かるだろうが俺はアイツの様に風変わりな生物を好む事はねえが、それに怯えたりもしねえ。苦手だと思う物もあるが、平静を装う程度の余裕まで失われる事は先ず有り得ねえな。
話は戻すが取り敢えず自分がこれまで見た事もねえ生物だった事もあり、珍し物好きのアイツが如何にも喜びそうだと考えて、写真に収めたその奇怪な姿を直ぐにメールした。
夜にわざわざフラッシュをたいてコンクリートにレンズを向ける俺様の姿は、いっそ男らしくさえあった事だろうよ。
初めて見る生物に喜ぶアイツの姿を想像し、褒美迄期待した。
然し数分後返って来たメールには、「オオ/ミス/ジコウ/ガイビ/ルだな、すげぇ!」の文字。
知 っ て ン の か よ
「考えていたよりずっと奥が深い。」この時の俺なりに姫に対する考えを改めた心算だが、今思えばまだ随分とアイツの事を甘く見ていた。
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