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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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跡部景吾
2008/06/29 20:01
まさかの二分割の続きだ。俺なりに考えてメールを作成する。
『そうだな。今年の夏はフィッシングもしてェ。御前はバカンスだったな。はしゃぎ過ぎて焼け止めを忘れるなよ。』
『スキーのジャンプもやっていたんだったか。相方の雪男が可哀想に思えて来る程に多趣味だが、何にしろ元気そうで結構な事だ。其れから、あの恐竜がブログを持っていた事さえ初耳だ。何かあったのか?』
俺の人生で此処まであの恐竜の事を考えたのは間違い無く生まれて初めてだった。大スターが幾つ趣味を持っていようと俺様に全く関係の無い話だが、そんな無茶振りをしてくる辺りアイツは相当に恐竜が好きなのだろうから余りに興味の無い返信をするのも褒められた行いじゃねえ。俺は姫が好きなのだから、アイツが好きなものを尊重するべきだ。文面を読み返してから送信すると、何時も通り30分程の時間を空けてアイツからの受信を知らせる音楽が鳴り響く。
「あ、別にたいしたことでもねェの。それよりさ、さっきテトリス全クリしたンだぜー」
何度も其の文の上を眼で追った。まさか此だけじゃねえだろう。あれほど不自然な流れを作ってまで言いたかった事なんだ。然し何度凝視してもメールはその二文で構成されている。携帯の液晶にあぶり出しを付けられよう筈もねえが色んな角度から受け取ったメールを眺め、よもや3D機能搭載かと眼を細めてみたりもした。然し矢張り何の仕掛けも無い。
――何の為の質問だったんだ。こみ上げる笑いを如何する事も出来ずに声に出しちまって、部員の奴等に「頭大丈夫?」みてェな顔をされた。御前等チョット部長に対する愛に欠けるんじゃねえか。
もしかしたら又アイツから同じ質問をされる時があるかも知れねえ。何時か「今日のブログ見た?」と何気無い話をふられた時にそれに乗ってやれる様、俺は此の間からあの眠たげな奴のブログを読むようにしている。
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