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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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22 :
跡部景吾
2007/07/06 14:01
海から陸に上がった人間は、やはり空を望むのだろうか。
「天国は天上に、地獄は地底に」
そんな概念はいつ生まれたンだろうな。
俺の知る限り、神話の時代には死者の国は地の底にあったと記憶している。
どの様な形であれ、安らかに眠るのは此の柔らかな地面である筈なのに。
草となり、花となり、やがては多くの命を生かす糧となる。
しかし其の魂は、どうやらいつの時代からか天上に在るべきものらしい。
空は好きだ。
気紛れで無邪気で、其れでいて横暴な「絶対」。
掴めそうで掴めない夢の様で、気付けば手を伸ばしそうになる。
けれど路傍の花にも気付かずに上だけを見つめる様な、そんな自分では。
そんな自分では在りたくない、改めてそう思う。
手に持つ花束を作らせてから、擦れ違う人に其れを差し出した。
お前なら、自分の物にするより喜んでくれるだろう?
少し驚いてから笑みを浮かべる見知った他人を背に、恐らく自己満足だろう自分の考えに喉を鳴らした。
―空は、泣いていないだろうか。
そっと撫でる冷たい感触に、俺は。
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