top
┗
拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
┗279
279 :
跡部景吾
2008/11/25 09:35
姫が居てくれれば、どんな暗闇も恐れる事は何もねえ。何時だって御前だけが俺に光を見せてくれる。
もう二年も前になるか。逢魔が時の話をしたな。夕陽の赤く燃える空を見上げて、その言葉を御前が呟いた。ソイツ等が暗闇を連れて来るのかも知れねえと。もしそうだとしても、俺は何も怖くねえよ。魔王よ、もしも其処に居るなら訪れるが良い。此の心が黒く塗り潰されたとしても、アイツの声がそれを白く溶かすだろう。毎日の生活の中で、心には幾つも棘が刺さっていく。それにいちいち血を流さない様に、俺は鎧を厚くする。それを、姫。御前の笑顔が打ち砕くだろう。柔らかな皮膚を残した儘、俺は鎧に守られた以上の強さを手にするだろう。
愛しい。愛しい。愛しい。
もう何も怖くねえ。――御前を失う事以外は、何も。
[
返信][
削除][
編集]
[
Home][
設定][
Admin]