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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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357 :
跡部景吾
2012/08/02 18:06
久々に日本に戻って来た。
取り敢えず誰かに連絡を取ろうと思ったが、国外で端末を盗まれた俺に分かる事は殆ど無いに等しかった。
街への地図も、このノートも無くした。
燻る気持ちが、無かった訳じゃねえ。
姪っ子やプラ宍や過多想い、丸井にジロー。
だが友人はどうしているかと思う度、余計に探す躊躇いが生まれた。
身勝手極まりない俺は、彼らが元気にしているっつう事実を疑いたくなかったからだ。
そもそも国内に居る事自体少ない俺に、一方的な妄想は容易かった。
――それが、昨日。
空港に降り立った時、どうしてもノートを探さなければと不意に思った。
一年以上経っている。
普通に考えてもう燃やされていても可笑しくないそれは、果たして記憶と同じ場所に存在していた。
埃は被っちまってるが、中は綺麗だ。
…否、実際は消ゴムかけた跡だの破いた頁だの、そんな物もあった。
決して新品同様とはいかねえこのノートは、残っていた事に意味がある。
彼奴の書いた文字をなぞっては、言い知れない感情が込み上げた。
交流板を念のため見てみると、丸井の言葉があって。
…つい最近書き込まれたらしい、プラ宍からの手紙も挟まれていた。
犬笛っつうのは、犬を呼ぶモノだと思っていたが――犬に呼ばれるモンなんだろうか。
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